エンベデッドシステムスペシャリスト
午後対策コース
講師:久保 幸夫
profile
鉄道会社系のエンジニアリング会社を経て、講師活動を開始。
エンベデッド(組み込み)、ネットワーク系に強く、これらの分野を中心に、
試験対策講座や技術教育、執筆活動を行っている。
はじめまして、
エンベデッドシステムスペシャリスト試験対策担当の久保幸夫です。
よろしくお願いします。
このコラムを通じて、エンベデッド試験の合格へのアドバイスなどをお伝えし、
みなさまの合格のお役に立てればと考えております。
エンベデッドスペシャリスト試験を受験される方には、
組み込みソフトウェア系の職種の場合と、
ハードウェア系の職種の場合があります。
エンベデッドスペシャリスト試験では、双方に対応するため、
午後の記述式問題では、主にソフトウェア系の問題と
ハードウェア系が選択問題として出題されます。
しかし、午後Ⅰには、必須問題もありソフトウェアからも
ハードウェア系からも出題されます。
すなわち、エンベデッドスペシャリスト試験に合格するには、
ソフトウェアとハードウェアの知識がバランスよく求められます。
そのため、自分の専門とする分野以外も、
勉強をして知識をつけておく必要があります。
しかし、ソフトウェア系の知識しか持ち合わせていない、
または、ハードウェア系の知識しか持ち合わせていない受験者が多いのも事実です。
そこで、試験まで時間がある今の内にやっておきたいアドバイスを
職種別にしたいと思います。
◎ソフトウェア系の職種の方へ
前述しましたように、エンベデッドスペシャリスト試験では、
必須問題もありますのでハードウェア系の知識も必要です。
また、専門性が高い午前Ⅱ試験でも、
ハードウェア系の問題が多く出題されます。
携帯電話機やカーナビに代表される、
最近のエンベデッドシステムは、大規模化が進み、
開発現場でもハードウェアを意識することが減る傾向にあります。
そのため、制御用マイコンや各種のセンサー、
アクチュエータなどの知識が少ない組込み技術者が増えているようです。
エンベデッドスペシャリスト試験では、
制御用マイコンのIOポートやタイマ・カウンタ機能などの周辺機能を、
直接操作するような問題が出題されます。
また、各種のセンサーでアナログな物理量を検知し、
ADコンバータでデジタル化してマイコンに取り込むこと、
逆に、デジタル出力を駆動回路を介してモーターなどの
アクチュエータで物理量に変換することなどが出題されます。
最近は、リアルタイムOSを使用する組み込みシステムも多いですが、
試験では割込み処理も出題されます。
しかし、職場によってはこれらの知識や経験を、
現場で身に付ける機会が無いかもしれません。
そのため、
4月の試験まで余裕のある時期にハードウェアの知識を
身に付けておいたほうがよいでしょう。
おすすめは、小規模で安価な8ビットや16ビットの制御用マイコンを、
実際に弄ってみることです。
最近は、ハンダ付けが不要な、
トレーニング用の制御用マイコンボードも多く販売されています。
また、書籍や専門雑誌の付録として、マイコンボードが付いていて、
開発環境をダウンロードすれば、USB接続ですぐに、体験できるものもあります。
それらを使用して、マイコンの基本的な機能の使い方や
センサーなどの知識を身につけて頂きたいものです。
そして、できれば、簡単なシステムで良いので、
自分ひとりの「プチプロジェクト」を立案し、
実機を用いてシステム開発の企画、外部設計、内部設計、プログラミング、
デバック、テスト、評価といった、一連の開発プロセスを体験してみてください。
体験することにより、単なる知識だけでなく、
「・・・できる」能力が身に付き、スキルが高まります。
◎ハードウェア系の職種の方へ
他の高度系情報処理技術者試験と異なり、
エンベデッドスペシャリスト試験を受験される方には、
いきなりこの試験に挑戦される場合があります。
特に、組み込みシステムの開発現場でハード系の職種につかれている
エレクトロニクスやメカトロニクスのエンジニアにその傾向があります。
しかし、エンベデッドスペシャリスト試験は
ハード系の問題が出題されるとは言え、
高度分野に分類される情報処理技術者試験ですので、
ある程度のレベルのソフトウェアに関する知識も求められます。
ある程度のレベルとは、情報処理技術者試験における、
応用情報技術者試験(AP)レベルです。
(これは、旧ソフトウェア開発技術者(SW)に相当します。)
そのため、初めてエンベデッドスペシャリスト試験にチャレンジされる方は、
余裕のある今のうちに応用情報技術者試験などのテキストを使用して、
基礎的なITの知識をつけることをお勧めします。