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【IT人材白書から読取るIT技術者への警鐘】

2016年12月22日

 アベノミクスや2020年東京オリンピックの影響で社会インフラの整備などにIT人材やWebサービス人材が不足する現状は、皆さんには実感がないかもしれませんが、EUだけでなく欧米も以前よりユーザー企業に戦略的なIT人材配置をしています。

 さて2020年の東京オリンピックやパラリンピックが終了、社会インフラの整備も終了したら日本国内のIT技術者はどうなるのでしょうか?
「戦略的なIT人材育成に挑むEU、目の前の人材不足対応に追われる日本」,「IoT、ビッグデータ時代に挑む姿勢が見えないIT企業」こんな内容で始まる「IT人材白書2016」について考察します。

 既存のビジネスを変革する、革新的なITサービスが世界中で次々に生まれています。IoTやビッグデータ、(※1)人工知能(※2)など技術革新の進展がこの動きを加速し、Fintech(※3)のように社会や産業、企業、人のあり方や働き方に、多大な影響を及ぼしつつあります。

 本白書に示されたEU(欧州連合)における戦略的なIT人材育成の動きは従来の流れの延長上にはなく、こうした技術革新の進展を真正面から見据えたものと考えられます。

 インターネットが促すグローバルでボーダレスな世界を考えたとき、日本のIT人材も否応なしに多様な文化や人、あるいは異質な文化や人と交わっていかなければ、蚊帳の外に置かれてしまうのではないでしょうか。こうした危機感を、我々は「IT人材白書2016」のサブタイトルである「多様な文化へ踏み出す覚悟」に込めています。既存の組織や企業、国の壁や枠組みにとらわれない発想で物事を捉え、社会の課題を認識して多様な文化や人と交わります。そして社会を変える高い志を持ち、覚悟を持って社会で活躍するIT人材であって欲しいと願っています。今年の人材白書で新たな調査データが公開されましたが、それがEUの人材育成状況です。

 本白書には日本の企業、IT人材個人に対しての以下のメッセージがあります。

<IT企業>

 価値創造ビジネスに世界中はシフトしている。受託開発等既存ビジネスの成長には限界がある。これからは、IT企業から技術提案を行い、業務プラットフォームを構築していく時代ではないだろうか。既存技術にとらわれず、新技術の概念から新たなビジネスモデル構築につながる価値提案を行わなければ、ビジネス拡大は望めない。

<ユーザー企業のIT部門>

 ITを活用し、企業価値を高めるために、ITで組織を有機的に繋ぎ、組み合わせることがIT部門の役割である。企業の新たな力を創造するための場を作り、従来のIT部門の殻を破ることを考えなさい。

<技術者のスキルアップ>

 IoTや人工知能を始めとした急激な技術・データ革新が起きている今、自己研さんしないと未来はない。時代の潮流に敏感な専門分野の人材は、まさに自己研さんを継続している。自己研さんこそ自分自身を高め、プライドを生む。自己の枠を壊し多様な人材と交わるようにしなさい。活躍の場は無限に拡がる。

 もっとEUの戦略的IT人材に必要なスキル体系、IoT時代に必要なスキルなど調査データを含め詳細を知りたい場合は、本書はIPAのホームページより「IT人材白書2016」のダウンロードが可能です。ぜひ参考にして下さい。(https://www.ipa.go.jp/jinzai/jigyou/about.html

 最後に、これからの時代を生き抜くために世の中の動きを素早くウォッチし専門知識だけでなくビジネスインダストリ、考え抜く力/前に踏み出す力/チームで働く力などのヒューマンスキルも身につける必要があります。

 皆さんはそんな多様性の時代に柔軟に対応できますか?

チャールズ・ダーウィンはこんな名言を残している。

最も強い者が生き残るのではなく、
最も賢い者が生き延びるのでもない。
唯一生き残ることが出来るのは、
変化できる者である。

執筆者『福嶋 義弘(ふくしま よしひろ)氏』プロフィール

【略歴】
・昭和53年 日本電気ソフトウェア株式会社(現NECソリューションイノベータ株式会社)入社
・基本ソフト(コンパイラ)開発を担当
・昭和61年教育部門へ異動、それ以降教育、人材育成業務を担当
・ITトレーニングセンター長を務め2013年12月に定年
・現在iコンピテンシ・ディクショナリ活用システム構築に携わる一方、株式会社アイテックの顧問に就任

【実績】
・ITSS(経済産業省 ITスキル標準)を社内の人事制度、人材育成制度に導入。業界では先進事例として注目された。その中心メンバーとして活動。その後は、高度IT人材育成のため、経産省各種委員会、産学連携、特定非営利法人 スキル標準ユーザー協会(SS-UG)などで推進活動を行っている 
・2006年4月~2015年3月産業技術大学院大学 客員教授委嘱
・SS-UG(スキル標準ユーザー協会) 理事、認定ITSSシニアコンサルタント
・IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)主催 ITSSエデュケーションプロフェッショナルコミュニティ副主査
・IIBA 日本支部 代表理事(2008年12月~2012年12月、2015年1月~)
・JISA(一般社団法人情報サービス産業協会)
平成26年度市場創出チャレンジ委員会イノベーション人材部会部会長
・東京都ベンチャー企業大賞審査員 など

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