アイテック公式ブログ

情報処理安全確保支援士制度がスタート!!

2017年2月21日

平成29年春期試験より実施される情報処理安全確保支援士、創設された制度の概要を踏まえ、情報処理安全確保支援士の有効性と今後について考える。

先日、関係する中小ITベンダーの人材育成とデータセンター管理者の委員会で情報処理安全確保支援士制度について認知度を調べた。半分は認知していた、内1名が登録申請中とのことであった。半分が高いか低いかは何とも言えないが、私は低いと思う。国やIPAの制度周知ができていないと感じる。

サイバーセキュリティに関する初の国家資格である「情報処理安全確保支援士」(略称・登録セキスペ)制度は、2016年10月21日に経済産業省から発表された。

今年4月16日には、経済産業省所管のIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が、その第1回試験を実施する。そもそもなぜこの制度が創設されたのか。もともと日本の情報セキュリティは脆弱と言われていたが、発端は2015年5月に起こった日本年金機構の情報流出事案と言われている。外部からの不正アクセスによって、年金加入者の個人情報およそ125万件が流出したといわれている。

その後、サイバーセキュリティ基本法を改正し、情報セキュリティの専門家育成の強化施策の一つにこの制度が創設された。2020年までに30,000人確保を目標にしている。同制度は情報セキュリティの専門的な知識・技能を有する専門人材を登録・公表するもので、支援士試験は、現在実施している国家試験「情報処理技術者試験」の「情報セキュリティスペシャリスト試験(以下、SC試験)」の内容をベースに実施される。試験制度における試験の位置付けは下図のとおりで、SC試験は廃止される。

20170221

 

 

資格の開始は2017年4月としているが、実際には既に運用が始まっている。やや制度が複雑なので簡単に説明しておく。情報処理安全確保支援士はペーパーテストに合格するだけでは取得できない。試験合格者がIPAに登録を申請し、資格保持者の一覧表「登録簿」に登録されてはじめて資格取得となる。

20170221-2

独立行政法人 情報処理推進機構プレス発表資料より引用

 現在は経過措置として、既存の「情報セキュリティスペシャリスト試験」と「テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験」の合格者を登録対象者として、登録申請処理中である。2016年10月24日から2017年1月31日までに申請し、4月1日の登録を経て晴れて情報処理安全確保支援士となる。なお、2018年10月20日まで経過措置が続き、既存資格合格者は申請して登録されれば情報処理安全確保支援士になれる。11月16日時点では登録申請数は約400人とIPAは発表している。

新資格は講習受講による知識のアップデートが義務付けられる。今までの情報処理技術者試験にはない特徴を持っている。資格取得者に対しては、年1回のオンライン講習(約2万円)と3年に1回の集合講習(8万~9万円)の受講を義務付けられており。資格を維持するには、3年間合計で約15万円の講習受講料が掛かる。

さて業界の反応であるが、「その手間を掛けるメリットがあるのか」「登録免許税、登録手数料や講習受講料(3年間で15万円)を支払う価値はあるのか」など意見がでている。主なSIベンダーの対応としては様子見、今後対応を検討するところが大半である。情報セキュリティの強化、プロフェッショナルの育成は重要である、そのスキルの証としての資格試験は大変有効だと思う。しかし、その反面、資格保有者へのメリット(例えば、公共事業などの情報システム調達の入札要件に情報処理安全確保士登録者の保有を義務づける)が現状不明確である。また、グローバル資格のCISSPとの相互認証なども課題になる可能性がある。まだまだ前途多難な船出となった。

 

アイテックの情報処理安全確保支援士の学習はこちら

福嶋さん

執筆者『福嶋 義弘(ふくしま よしひろ)氏』プロフィール

【略歴】
・昭和53年 日本電気ソフトウェア株式会社(現NECソリューションイノベータ株式会社)入社
・基本ソフト(コンパイラ)開発を担当
・昭和61年教育部門へ異動、それ以降教育、人材育成業務を担当
・ITトレーニングセンター長を務め2013年12月に定年
・現在iコンピテンシ・ディクショナリ活用システム構築に携わる一方、株式会社アイテックの顧問に就任

【実績】
・ITSS(経済産業省 ITスキル標準)を社内の人事制度、人材育成制度に導入。業界では先進事例として注目された。その中心メンバーとして活動。その後は、高度IT人材育成のため、経産省各種委員会、産学連携、特定非営利法人 スキル標準ユーザー協会(SS-UG)などで推進活動を行っている 
・2006年4月~2015年3月産業技術大学院大学 客員教授委嘱
・SS-UG(スキル標準ユーザー協会) 理事、認定ITSSシニアコンサルタント
・IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)主催 ITSSエデュケーションプロフェッショナルコミュニティ副主査
・IIBA 日本支部 代表理事(2008年12月~2012年12月、2015年1月~)
・JISA(一般社団法人情報サービス産業協会)
平成26年度市場創出チャレンジ委員会イノベーション人材部会部会長
・東京都ベンチャー企業大賞審査員 など

アイテックブログをタグで検索

サイトマップ
TOPへ